愛は惜しみなく奪うらしい(嗜好。自分と友人にむけて)

恋愛じゃありません。嗜好のはなしです。
嗜好といっても、「性的嗜好は個人の自由じゃん」とかいうベタな方向でなく。

結論からいいましょう。
わたしは『愛は惜しみなく奪う』類いのものを、愛します。
『愛は惜しみなく奪う』を主軸にした作品、及び存在を、愛します。

愛するものとそれ以外のものとは全くちがう軸に存在し、比較されるべきではありません。
『愛するもの』は『好ましく思うもの』の真逆といえるかもしれません。

わたしが愛するものはわたしを癒したり、朗らかにさせたりはしません。
わたしを完全に打ちのめすものをこそ、わたしは愛しています。

例えば彼の歌は、無造作にレモンを搾るように、わたしの心臓をもちあげて絞り出してしまいました。いみもなくわたしは悔しく感じながら、嗚咽と吐き気に堪えていました。

例えばあの映画は、ひとつの人生を脳にぶち込まれたようにスピーディーで、めまぐるしく、わたしを混乱させました。エンドロールが終わるとわたしは30分しくしく泣いていました。

例えばあの本は、一行づつにカミソリと薬物が仕込んであるかのようで、辛くてたまらないのに、止めることが不可能なのでした。


これらの『わたしが愛すもの』に触れたとき、わたしは生きていることにはっきりと気がづきます。
リストカットに近い行為だとも、いえるでしょう。
だれかが、『読書とは、凍った海を大きな斧で叩き割る行為だ』と書いていた気がしますが、そういうことです。
わたしは「わたしに血を流させるもの」を求めずにいられないのです。






Tina Turner のWhat's love got to do with itを訳すと『愛は惜しみなく奪う』になると、なんでか信じていたのですが大いなる勘違いでした。てかぜんぜん違うじゃん。

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